絵本作家を目指す白鳥隆士は、片道3時間を掛けて東京の専門学校に通っていたが、作業時間の確保のため上京することを決める。そのことを母に相談した白鳥は、母の従姉妹がやっているというアパート・鳴滝荘を紹介され、早速翌日に引っ越すことになる。現地に着くと、その従姉妹の娘であるという蒼葉梢が大家を務めていた。白鳥は覚えていなかったが、10年前に2人は会ったことがあるという。 しかし鳴滝荘の住民には個性豊かな面々が揃っていたうえ、梢は解離性同一性障害を患っていた。赤坂早紀、金沢魚子、緑川千百合、紺野棗の4つの人格は、梢を含めてそれぞれの記憶を共有しておらず、表出していない間を仮の記憶で埋めていたため、自身の症状には気付いていない。