アニまと

メトロポリス

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「頭脳の力」を限りなく発達させた人類によって、文明の絶頂期にある近未来の大都市メトロポリス。秘密組織レッド党の台頭を町中が警戒する中、突如として太陽に無数の黒点が現れ始めた。人工生命の創造を研究テーマとしていた科学者ロートン博士は、黒点からでる放射線の影響で、人造タンパク質に生命の片鱗が見えたことに大喜びする。 しかし、人工黒点を密かに作り出した張本人であるレッド党の首領・レッド公に脅され、人造細胞を用いて天使のように美しい姿と、恐るべき悪魔のような能力を合わせ持った人造人間を作ってしまう。悪用を恐れたロートン博士は事故と見せかけて研究所に火をつけ、失踪する。 数ヵ月後。人造人間はロートン博士の下で、ごく普通の人間「ミッチィ」として密かに育てられていた。しかし、ひょんなことからレッド党に所在を知られ、博士は殺されてしまう。 現場に居合わせた私立探偵ヒゲオヤジは、博士の遺言どおりミッチィを引き取り、甥のケンイチが通う学校に通わせるが、両親の姿を追い求めるミッチィはケンイチの元を密かに抜け出し、両親を探したい一心で外国へ行く客船アトランチス号に乗り込む。 しかし、その船はレッド党の所有物であり、ミッチィはついに捕まってしまう。レッド公を実の父と思い涙を流して抱きつくミッチィをレッド公は嘲笑いながら突き放し、人間の手によって作られた人造人間であるという事実を突きつけた。ミッチィは怒りのあまり船上のロボット達を率いて反乱を起こす。全人類に対する憎しみに囚われたミッチィは、レッド公の下で虐げられていたロボット達を率いてメトロポリスに侵攻し、親友だったケンイチの言葉にも耳を貸さず、時計塔の頂上で彼と決闘を始める。人造人間の恐るべき力でケンイチを圧倒し追い詰めるが、命の源であった黒点の消滅に伴い、突如体から煙が噴き出し、火に包まれて落下する。 病院に訪れたケンイチが見たものは、全身が溶け崩れ変わり果てたミッチィの姿だった。命尽きる時は訪れ、ケンイチや学校の同級生が見守る中ついに心臓が溶け、ミッチィは短く悲しい生涯を終えるのだった。 そしてベル博士は読者に問いかける。現実に発達した科学の力が、いずれ我々の身をも滅ぼしていくのではないかと。

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