アニまと

二十面相の娘

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日本が大戦の惨禍からようやく復興し、繁栄を謳歌しはじめていたころ、富豪の令嬢・美甘千津子(チコ)は幼いながら生きることに疲れ、新しい世界を夢見ながら生活していた。チコの両親は既に他界し、彼女は叔父夫婦と共に生活していたが、財産の独り占めを狙う叔父夫婦は日々の食事に毒物を混入し、チコを毒殺しようと企んでいたのだ。聡明なチコはそのことに気がつき、叔父夫婦が勧める食事を口にしないようにしていたが、体は衰弱するばかりであった。そんなチコを見かねたのが、巷を騒がす怪盗・二十面相だった。二十面相は美甘家の紅玉を盗み出すために美甘家に潜入していたが、「一番の財産は千津子くんだ」と紅玉とともにチコを盗み出したのだった。 二十面相にさらわれたチコは二十面相率いる盗賊団の一員として生活するようになる。実の妹のようにチコをかわいがるケンなど優しい仲間に囲まれながら、チコは外国語や護身術などを習いつつ、盗賊の仕事にも参加し、楽しい時間を過ごした。 しかし、楽しい日々は長くは続かなかった。ある日、二十面相やチコが乗っていた列車が虎と名乗る盗賊の一味に襲撃され、二十面相は行方不明になってしまったのだ。チコはその場にいあわせた私立探偵の空根太作に「保護」され、日本に呼び戻されてしまう。日本で待っていたのは、チコの命を執拗に狙う叔母との欺瞞に満ちた生活であった。そんな生活に嫌気がさすチコの心の拠り所となったのが、クラスメイトの小糸春華とチコの世話役のトメであった。 やがて、チコは二十面相の遺産を狙う者たちが引き起こす様々な事件に巻き込まれていく。そして、好奇心旺盛な春華はチコ・春華・トメの3人による少女探偵団の結成を宣言し、3人はチコの憧れの男性である二十面相の行方を追うようになる。そして、二十面相の行方を追うチコは大戦期に二十面相が密かに進めていた研究の秘密を知っていくことになる…。

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