アニまと

夜は短し歩けよ乙女

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5月末。京都府の木屋町の料理店にて大学のクラブのOBである赤川康夫と東堂奈緒子夫妻の披露宴へ出席した先輩は、席にて意中の女性である黒髪の乙女と懇意になるのを画策していた。黒髪の乙女は二次会への出席を断り、ひとり酒を求めて先斗町を練り歩き、錦鯉の生育を生業にする男東堂や、酒を求めて町を徘徊する羽貫、樋口の両人らと巡り合い、彼らから先斗町の界隈で密かに親しまれるカクテル「偽電気ブラン」の噂を耳にする。偽電気ブランを所有する高利金貸しの老人李白を求めて、乙女は羽貫と樋口と共に先斗町を練り歩く。大学の文化系サークル「詭弁論部」の送別会、還暦を祝う大学同窓の老人たち、行く先々で酒を交わして人と打ち解け、その人々を引き連れて「李白はいねかー」とまた歩いた。一方で先輩は乙女の行方を追う最中に追い剥ぎに遭って下着を奪われたところを東堂に助けられる。東堂は錦鯉の生育の傍らで春画の蒐集に没頭しており、商売の失敗によって李白に借りた金を返すべく、今夜は自慢のコレクションを、閨房調査団なる猥褻物の愛好家へ売る手はずとなっていた。ところが乙女が李白を探している噂に色めき立つ調査団面々の様子に影響され、東堂はやけを起こして春画を破り捨て死んでやると喚く始末。そこへ、李白を探して町を巡る乙女の一団が遭遇。さらに借金の取り立てのために李白が現れる。事情を知った乙女は李白へ、勝てばその場にいる全員の借金を帳消し、負ければ借金は2倍となる条件の基に飲み比べを申し込む。図らずして偽電気ブランにありついた乙女は幸福な気分で満たされ、次々に瓶を開けていく。ついに李白はもう飲めないと屈服し、飲み比べは乙女の勝利に決着した。

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