千葉県立総北高等学校の新入生・小野田坂道はアニメやゲーム、漫画や秋葉原を愛するオタク少年。中学時代にオタクの友達ができなかった彼は、高校こそは友達を作るためアニメ・漫画研究部に入ろうとするが、部員数減少のため活動休止中であると知り、活動再開に必要な部員数を集めようと思い立つものの、部員は集まらなかった。 そんなとき坂道は、同級生の今泉俊輔から自転車レースを挑まれる。中学時代に自転車競技で活躍していた今泉にとって、学校裏の斜度20%以上の激坂をママチャリで、しかも歌いながら登坂する坂道は“信じがたい光景”であった。「坂道が勝てばアニ研部に入っても良い」と今泉に言われ、勝負を受けた坂道だが、あと一歩のところで惜敗する。それから数日後、坂道は関西から引っ越してきたばかりの少年・鳴子章吉と友人になる。鳴子は中学時代に自転車競技で活躍しており、ひょんなことから坂道はその実力を知ることになる。 2人との出会いで今までに経験したことのなかった“自転車で速く走る楽しみ”を見出した坂道は、アニ研部の部員集めを諦め、自転車競技部に入部する。小学生のときから自転車で秋葉原に通い続けていた坂道は、知らず知らずのうちに上り坂に強いクライマーとしての基礎能力が鍛えられており、その資質を見出されたことから、先輩部員でクライマーの巻島裕介の指導を受けることになり、才能を開花させていく。
インターハイ総合優勝を掴んだ総北高校自転車競技部は熊本県で行われる「熊本火の国やまなみロードレース」に招待された。例年なら参加を断っていた箱根学園も今回は参加を表明し、京都伏見や広島呉南などのインターハイ上位校が続々と参戦することになる。 ニューマシンに乗ることになった坂道はまた巻島と走れることを楽しみにしていたが、その巻島が9月からイギリスで生活するために突然自転車競技部を退部することになった。 坂道が失意のまま熊本へ向かった総北自転車競技部は空港で熊本台一の田浦吉昭からの出迎えを受けるが、坂道は田浦のチームメイトであるエースクライマーの吉本進から宣戦布告を受ける。